旧廣盛酒造所

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旧廣盛酒造所

群馬県中之条町が所有する旧廣盛酒造所をイベント施設へと再生させるための計画です (第1期) 。四万温泉を有する中之条町は、近年、アートイベント・中之条ビエンナーレを始め、文化・芸術振興に積極的に取り組んでおり、旧廣盛酒造所はそれらの活動拠点として活用されてきました。今回の計画では、群馬県指定重要有形民族文化財の鳥追い太鼓11台を保管展示するための施設の新築および、既存の倉庫とトイレの改修の設計を行いました。

2007年度に中之条町が旧酒造所の土地と建物を買い取り、イベント施設としての活用を始めようとしていましたが、既存建物群の老朽化は進んでおり、全ての建物をそのままの状態で活用することは困難な状態でした。そこで良好な状態かつ空間としての魅力もある事務所棟(鉄骨造)、貯蔵庫(積石造)、倉庫(木造)を残し、それ以外の建物は解体することにしました。そして、その跡地に新たに保管展示室と公園のような小さな公共スペースを設けることとしました。また、解体から新築までの一連の流れで生じた建物間の隙間は、アプローチや野外展示スペースなどとして積極的に活用することとしました。

新築の保管展示室はその性格上、外壁に面しては搬出入用の開口以外は一切設けておりません。代わりに建物を横断するトンネルのような通路を通すことで、内部空間を体験できるようにしました。通路の両脇には上下の枠のみで支持された倍強度ガラス(最大高さ:4.5m)をはめ込んでいます。この2枚のガラススクリーンは平行ではなく、広場や水路に向けて広がるように微妙に傾きを持って配置しました。そのため反射を繰り返し通路内に創り出される何重もの映り込みを、より迫力のあるものにします。下見板張りを連想させるようなガルバリウム鋼板平葺きの外観は、軒も庇もない現代的な表現であるにもかかわらず、既存建物に通ずる和の雰囲気を感じさせます。

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